巷に糖質オフの食品が増えていますが、糖質は脳の唯一のエネルギー源です。
— 田中亜弥@女性専用パーソナル(吉祥寺) (@AyaTanaka81) July 22, 2021
なので、糖質を大幅に減らすと、飢餓本能により、逆に食欲が増します。
過度な糖質制限で #摂食障害 になる人は多いです。
糖質を含む炭水化物は大切な三大栄養素なので、上手に味方につけるとダイエットも成功しやすいです👌
上記の様な呟きがあったので少し掘り下げようと思います。僕の頭の中でのトリガーとなるのは絶対的と言うか断定的な発言でしょうか。「〜は良い」「〜は悪い」「〜は唯一の〜」とかを見ると注意深く見てしまいます。
検証
巷に糖質オフの食品が増えていますが、糖質は脳の唯一のエネルギー源です。
先ずここで疑問。身体へ外来栄養の糖の供給が一定である場合、脳は糖をエネルギー源として使用する。外来栄養の糖が不足している場合、身体は糖をメインに使用する代謝から脂質をメインに使用する代謝に変化する。このシフト時の過渡期は代謝効率が悪いので体調が悪く感じたりする。具体的には肝臓が脂質を利用してケトン体を生成し脳を含むその他エネルギーを必要とする組織がケトン体を使用する。脂質代謝が安定すると脳の60〜70%のエネルギーがケトン体で賄える。 残りの脳の機能には糖が必要で、身体は糖新生と言うプロセスを経て乳酸、グリセロール、アラニン、グルタミン等から糖を生成し、それを脳は使用する。血糖値のホメオスタシスも同プロセスで維持される。極論(と言うか暴論だと思う)を言うと、三大栄養素である炭水化物(糖)は、身体にとって外来栄養としては必要不可欠ではない。 炭水化物を摂取しなくても身体に備わっている機能で最低限必要な糖は生成されると言う事だ。
『栄養学では炭水化物は「身体にとって必須ではない」とみなされています。』1
余談だが何故この様なバイオメカニズムが身体にあるかと言うと、進化生物学的な観点から見ると納得出来る。農業を覚える前の狩猟民族だった人類は、狩と時折有り付ける果物を糧としていた。しかし果物は万年実が成っている訳では無いし、狩も毎度上手く行かない。(余談の更に余談だが、ライフルを持って現代の装備でチャレンジしても難しいものである)つまり、食料に有り付ける期間が不本意に長くなってしまうことがあるわけだ。外来栄養の糖が無いだけで脳が機能しなくなってしまうほどの雑魚であれば人類そのものが途絶えてしまうので、外来栄養の糖が無い期間も機能出来る脂質代謝がデフォルトで用意されているわけだ。
なので、糖質を大幅に減らすと、飢餓本能により、逆に食欲が増します。
ここは疑問と言うより、単に情報が錯綜している。上記脂質代謝が始まりケトン体が生成されて身体がそれをエネルギー源として利用し始めると食欲ホルモンであるグレリンが抑制され、食欲は減少します。因みにこのメカニズムがフルに理解されているわけではなく、今では外来栄養としてケトンを摂取した場合も同じ様な結果になるかどうか、等の研究が行われています。
過度な糖質制限で #摂食障害 になる人は多いです。
これに関しては僕は余り知識が無く検証しません。
糖質を含む炭水化物は大切な三大栄養素なので、上手に味方につけるとダイエットも成功しやすいです👌
前述の暴論の通り三大栄養素であっても必要ではありません。 ただ糖質制限して減量に成功したとしても、糖質を食事に戻して維持出来るかと言うと普通の人は出来そうにありませんよね。上手に味方につけてPFCバランスだったり健康だったり見据えて大枠での食事に関するライフスタイルチェンジが必要だと思いますので、この文は全体的に賛成です!
そして思う
お断りだけど「炭水化物は悪!」とか言ってるわけでは決してありません。自分は炭水化物大好きだし、色々なダイエットの食事法を比べたメタアナリシスを見ても別にケトジェニックが優位だったりしません。特にエビデンスも無いのに炭水化物ガーとか言ってる人も頭のネジが外れていると思います。
時折タンスイカブツガー教の方がラットスタディを提示して来ますが、先ずエビデンスについて少し勉強しよう。
このツイートの前述の主張には納得出来無かったが、結論は概ね賛成。一番ヤバイのはシステマチックな知識が無いままダイエットに突入し、色々な虚偽に近いデマを羅列した危険な食事法を実践する人達だと思う。脂質オフや糖質オフ商品が陳列されているんだからこの方がより健康に良いオプションだと思ってしまうよね。他にも
- 赤肉は癌になるらしい→肉食べない
- コレステロール食べると動脈硬化になるらしい→コレステロール0の調味料や食品を摂取
- 糖質は太るらしい→糖質オフ調味料や食品を摂取
- 脂質は太るらしい→脂質オフの調味料や食品を摂取
- 卵もコレステロールらしい→卵食べない
他にも色々とあると思うが、これらを踏襲して食事法を確立するとなると何が残るんだ?
あ、ビーガンか?!
-
Helms, Eric., et al., 肉体改造のピラミッド 栄養編, athletebody.jp, p.70 ↩
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